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夢紡ぐ糸 プロローグ

プロローグ

ある日、少年と少女は中学校の屋上で出会いました。
その出会いは、ロマンチックとは言えませんでしたが、そのとき、
少年から少女へ、運命の赤い糸がつながりました。
そして、2度目の屋上での出会いで、今度は少女から少年へ赤い糸がつながりました。
しかし、互いの想いを知らない二人の糸は2本に分かれていました。
そして、少年は二人の間の糸の強さに気づかず、3年後、ある一人の少女との赤い糸を選びました。
そして、運命に導かれた少女との赤い糸を切ってしまいました。
その少女との間には、もう一本の糸が残っていましたが、少女はある雪の日、自らその糸を切る決意をしました。
そして、互いにつながる糸が全てなくなったとき、少年は初めてその糸の強さに気づきました。
少年は悔やみましたが、もう、その糸を彼は戻すことは出来ませんでした。
このまま二人の間には何のつながりもなく終わってしまったと思われました。
しかし、少年が少女の小説を読んだとき、そして自分の夢を実現させる決意をしたとき、二人の間に
新たな運命の糸が生まれました。


その糸は、











夢紡ぐ糸。

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夢紡ぐ糸 第1話 疑問

(ふう、あまりいい感じしないかな。)
東城綾は、自分の小説を映画化した試写会をみていた。
(こことか、自分がイメージしたのとかなり違う気がする。)



1年後、綾は編集部で打ち合わせをしていた。
「それでですね東城先生、次の映画なんですが、」
「え、もう次を映画化するんですか。」
「実は、何人かの若手の監督に絵コンテを書いてもらって、その中から次の監督を選ぼうということになってるんです。」
「まあ、監督の新人発掘ですね。」
「はあ、」
東城綾の一作目の映画は、そこそこの興業成績を出していた。
邦画の成績がふるわない昨今では、健闘したほうであった。
(そういえば、真中くんも映画会社に入ったって言ってたけど応募するのかな)
「あ、選考会には東城先生も参加していただきますから。」



選考会当日、10人の若手の監督のコンテが集められた。
(真中くんの作品はなしか・・、やっぱりまだ早いのかな。そういえば今日の選考会にはいっている角倉監督って
確か、真中くんの入った事務所の人だったよね)
(でも、このコンテなんか似た内容が多いな、あっでも6番のはそうでもないかも、結構うまく、原作のイメージをくみ上げてくれてるみたいだし、あっこのシーン結構いい感じかも)



「6番のコンテ、なかなかよさそうですな」
「そうですな、しかし聞かない名前ですな、中間純一とは」
「うちに入社して2年ですが、なかなか見所があると思いますよ。」
「まあ、角倉監督がそういうなら大丈夫でしょう。」
「東城先生はどうですか。」
「はい、あたしも6番がいいと思います。いくつかのシーンで実際に映像にされたのを見てみたいと思った箇所もありましたし。」
「では6番の監督を採用、ということでよろしいですね。よろしければ挙手願います。」
全員一致だった。
「以上で、東城先生の次回作の監督は6番に決定しました。」
選考会が終了し、全員が席を立とうとしたが、
「あっちょっと待ってください。」
「実は、6番の中間純一というは偽名なんですよ。」
「なんですって、この選考会に本名を名乗らずに応募したのですか。」
「ええ、まあ・・。本名は 真中淳平。」
(えっ真中くん?)
「東城先生の高校の同級生で、東城先生と高校の部活で自主映画を制作していたことがあるんです。」
「そういうことで、本人から偽名での応募と東城先生にも自分が出していることを秘密にしてもらうように頼まれましてね。」
(これが、真中くんの・・・。また真中くんに映画を作ってもらえるんだ。)





「あっお帰りなさい角倉さん、選考会どうでした?」
「ああ真中、おまえのが採用されたよ。」
「え? ええ~!! だってほかの人はみんな俺より先輩で。」
「でも、全員一致で決まったのはおまえの作品だ。」
「全員一致・・・」
「まあ、がんばれよ。」
「はい」
「それと、東城先生には脚本も書いてもらうことになったから。」
「スケジュールとか大丈夫なんでしょうか。」
だが、角倉の話によれば、だいぶ前からその予定で調整していたそうだ。

(そっか、また東城の脚本で映画が作れるんだ。)




そのころ、選考会から帰ってきた綾は今書いている小説の執筆を進めていた。
カタカタ・・・
(ここで、香が告白して・・)


「わたし、健一さんが好きなんです」
「・・・ごめん香、俺今は絵里さんが好きなんだ」
(え?)
(主人公はもともと香が好きだった、でも絵里さんを好きになって・・だから今はってセリフを入れたけど)
(じゃあ、真中くんは? どうしてあのとき・・・)

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夢紡ぐ糸 第2話 初恋

仕事が終わってから、淳平はパティスリー鶴屋にいた。
「淳平く~ん」
「つかさ、お疲れ」
「淳平くんも、お仕事お疲れ」
「ああ、そういえば店の方ずいぶん込んでたけど、日暮さん帰ってきてるのか。」
「うん、日暮さんもまだ独身だからね。相変わらず女の人に人気みたい。」
「ふ~ん」


「そういえばさ、選考会の結果、どうなった?」
「採用された。」
「やったー、これで監督デビューだねって、どうしたの?あまりうれしそうじゃないけど」
「う~ん、今回応募したメンバーってみんな一度くらいは監督の経験がある先輩たちばっかだったんだよな」
「自分が選ばれたのがちょっと信じられないっていうか」
「きっと、淳平くんには才能があるんだよ」
「でも、今でも角倉さんの作品には全然及ばないって気がしてるんだけど。」
「こら!淳平!」
「はい!って、わかってるよ。決まった以上は全力を出す!」
「うん、よろしい」
「脚本も東城が書いてくれるらしいし、がんばらなきゃな。」
「東城さんが?」
「うん、だいぶ前からそのつもりだったらしくて、スケジュールとかかなり調整したらしいぜ。」
「ふ~ん」
「なんて顔してんだよ、大丈夫、俺が好きなのはつかさなんだからな。」
「うん」



綾を含めた映画の打ち合わせが終了して、スタッフが解散していく。

「真中くん」
「東城」
「あとで、駅前のファミレスでも会えないかな、ちょっと相談したいことがあるんだけど。」
「仕事と関係ないこと?」
「うん、ちょっと」
「いいよ、30分ぐらいかかると思うけど。」
「うん、それじゃ後でね。」


「ごめん東城、待った?
「ううん、だいじょうぶ」
「えと、コーヒーお願いします。」
淳平はすぐに注文を出した。
「それで、相談ってなに?」
「うん、まずはこれを読んでみてくれる?」
「これって、次の小説?」
「うん、まだちょっと途中なんだけど。」


読み進めていく淳平。
(へえ、相変わらずいいもの書くよな。)
(でも、この話読んでると、あの時のことが思い出されてくるような。)
(まさか、それに絡めて書いてるわけないと思うけど。)


「相変わらず、いいよな東城の小説。 それで?、この先の展開で悩んでるの?」
「ううん、そうじゃないんだけど。この話で主人公の健一が、初恋の香の告白を断るところがあるよね。」
「あ、ああ」
「あたし、これ書いてて思い出したんだけど、真中くんあたしの告白の
とき「今は西野を大切にしたい」って言ったよね、あのときの今はって
どういう意味だったのか教えてほしいの。」
「!」
「もちろん、いまさら真中くんにもう一度告白するとかじゃないから。」
「ただ、どうしても気になって・・・」
「・・・」
「・・・」
(もうこれ以上、隠してても意味ないか。)

淳平は、覚悟を決めて話すことにした。
「俺が初めて好きになった女の子は、屋上で空から降ってきた女の子だった。」
「でも、おれはその子が東城だって長いこと気づかなかった。」
「え、でもノート拾ってくれたのに?」
「はは、最初にノートを返しに行った時に、会う前は期待してたんだけど、
会った瞬間、「こんな地味な子があの子のわけない」って思ったんだよ。」
「そっか、よくいわれるもんね、とても同一人物に見えないって」
「それで、小宮山や大草から「そんだけかわいいなら絶対西野つかさだ」って言われてね。」
「それでおれもそう思いこんで、西野に告白したんだよな。」
「え~、最初は人違いだったの?」
「うん、しかも告白したすぐ後に東城、近く走り抜けていったろ、それで人違いってすぐわかったんだけど。」
「それと、もう一人気になる女の子ができた。」
「その子は、おさげに黒縁めがねをかけた地味な女の子だった。」
「え、」
「一目惚れした女の子と、次第に惹かれていった女の子が同じだと知ったのは泉坂高校の入試の時、でも、結局最後までその子に告白する勇気も
持てず、その子の気持ちを確かめることもなく俺は、次の恋を始めてしまった。」
「・・・そっか、お互いに後一歩踏み出す勇気がなかったんだね。」
「東城・・」
「うん、ちょっとスッキリした。真中くんの初恋があたしだったことも
嬉しいし、高校の頃の宝物が一つ増えたみたい」
綾は晴々した笑顔を見せていた。
「今書いてる小説の続きね、香は遠くへ引っ越すんだけど、その前に
健一に別れの手紙を出すの、それを読んで、健一が大泣きする話に
持って行こうと思ってるんだけど・・」
「真中くんも、つらかった?」
「ああ、あの雪の日に東城と別れた後、ずいぶん泣いてたな。」
「そっか・・ありがとう、それだけ聞けたらもう十分。」
「ふう、俺もなんかつっかえがとれた気がする。」
「ふふ」
「はは」

それから、しばらくの間俺たちは昔話に花を咲かせていた。

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夢紡ぐ糸 第3話 恋愛談義

「じゃあね、真中くん映画がんばろうね」
「ああ、絶対いい映画にしようぜ」
東城は、タクシーに乗って帰って行った。


翌日淳平は、つかさと会っていた。
「淳平くん。」
「つかさ。」
「ねえ、昨日東城さんと会ったんでしょう。どうだった。」
「あのなあ、仕事仲間をいちいち気にしてどうすんだよ。」
「ほんとーになんでもないの?」
「・・・まあ、つかさに隠し事したってすぐばれちまうからな。」
「え?」
「昨日、二人でファミレスにいってさ、俺の初恋のこと話した。」
「そっかって、なんで?」
「俺が東城の告白を断ったときに『今は西野を大切にしたい』って 言ったんだけど、似たようなシチュエーションを小説で書いてるときに、 俺が言った言葉を思い出して疑問に思ったらしい。」
「それで、東城さんはなんて?」
「高校のころの宝物が一つ増えたってさ。」


街を歩いていた綾は、唯・つかさと会った。
「あっ東城さ~ん。」
「唯ちゃん、西野さん。」
「こんにちは。」
「こんにちは、唯ちゃん、今日はどうしたの。」
「今日ね、西野さんが新作のケーキごちそうしてくれるんです。あっ東城さんもどうですか。」
「えっでも・・・。」
「東城さんも時間あるなら、食べていかない?自信作なんだ。」
「ありがとう、じゃあ、おじゃまするね。」


「おいしかったー。」
「ほんと、ごちそうさま。」
「ありがとう、おそまつさまでした。」
しばらくケーキの話題で盛り上がっていたが、唯は気になった疑問を聞いてみた。
「そういえば、西野さんって淳平のどこがよかったんですか?」

「最初にいいなあって思ったのは、中3の夏頃に淳平のクラスで持ち物検査があって・・・。」
「・・・で色々あって、高3の時に初めて自分から告白したの。」

「なんで途中で別れたんですか。」
「うん、その頃は淳平くんにはほかに好きな子がいたんだよね。」
綾の方をちらりと見ながら話していた。
綾は、静かにお茶を飲んでいる。
「ええ~! 西野さんより好きな女の子ってどんな子なんですかー?」
「・・・東城さん。」
「ぶっ!」
むせかける綾。
「にっ西野さん!」
「うっそ~!」
驚いている唯、続いて綾にも聞いてみる。
「じゃあ、東城さんってその頃好きな人っていなかったんですか。あっ確か片思いの人がいるって言ってましたっけ」
「その人とは、どうなったんですか。」
答える綾。
「高3の文化祭の夜に告白してね、ふられちゃった。」
「ええ~!東城さんをふるなんて誰だったんですか。」
「ふふ、秘密。」
「いいじゃん、言っちゃっても。」
「西野さん・・・まあいいかな、あたしが好きだったのは真中くんなの。」
唯は、さらに驚いた。
「ええ~!って、じゃあ東城さんも淳平とつきあってたことが?」
「ううん、真中くんの初恋があたしだって知ったのはつい最近なの、高校のころはずっと片思いだと思っていたから、お互い、ちょっと告白する勇気が足りなかったみたい。」

「う~ん、じゃあ東城さんは淳平のどこが好きだったんですか?」
「中3の冬に、あたしの小説を読んでいっぱいほめてくれて、映画監督になりたいって夢を初めて語ってくれたときかな」
「えっ?、それだけで?」
唯は少し納得していないようだ。

「それまではね、地味で目立たない女の子だったの、あまりクラスにもなじめなくて一人でいることが多かった。」
「人に自分の書いた小説を見せようなんて思ってもいなかったの、勉強の合間にただ思ったことを書いていただけで。」
「弟以外とは、ほとんど男の子と口を聞いたこともなかった。 そんなあたしの存在を認めてくれて、いっぱいほめてくれた。 それで、恥ずかしくて誰にも言ったことがないっていう映画を作る人になりたいって夢をあたしに語ってくれた。」
「その小説のノートを屋上で落として、偶然拾ってくれたのが真中くんで、そこからあたしの人生がおおきく変わっていったと思う。」
「もし、真中くんと出会ってなかったら、今もあの頃と変わらない自分がいたと思う。小説家になんてなってなかっただろうね。」

「でも、東城さんが地味だったってなんかしんじられなーい。」
「そっか、唯ちゃん東城さんのあの頃の格好って見たことないもんね、待って写真持ってくるから。」
そういってつかさは出て行った。
「持ってくるって?なんで西野さんがあたしの写真を?」
しばらくして、つかさが持ってきたのは、「あっ卒業アルバム。」、中学の卒業アルバムだった。
「うん、この頃なら東城さんまだあの格好してたでしょ。えっとね、唯ちゃん、これが東城さん。」
そういって集合写真の中で、メガネをかけて髪を三つ編みにしている綾を指さした。
「え、嘘?!これが東城さん?」
唯は、何度も写真と今の本人を見比べる。
「どう見たって同一人物に見えないよう~。」

「そういえば、西野さん、ラブサンクチュアリってやってみたことあります?」
「え? ああ、最近話題になってるやつね。」
「そういえば、外村くんから聞いたけど、あれって高3の文化祭のがもとになってるらしいよ。」
と、東城は説明した。
「だったら、文化祭の時に淳平くんと行ったときと一緒かな。」
「あの時は全然違う番号だったから。」
「ふーん、でも、今のラブサンクチュアリって、相性度何パーセントって出るんですよね。」
「うん、あっそういえば、ねえ東城さん、東城さんってあのときの番号、何番だったの?」
西野は気になったことを聞いてみた。
「ああ、あれね、実は後から聞いたんだけどそのとき、下駄箱にそんな紙が入ってるなんて全然気づかなくて、途中で落ちちゃったみたい。だから、あたし自分の番号知らないの」
「ふ~ん」
(まさか、いくらんなんでも淳平くんと東城さんが同じ番号だなんてことないよね。)

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夢紡ぐ糸 第4話 大切な人

「それじゃあ、西野さん今日はごちそうさま。」
「ごちそうさま、いろいろ話が聞けて楽しかった!」
「うん、あたしも楽しかった。それじゃね。」
つかさは、玄関でふたりを見送った。
居間に戻って、置いてある卒業アルバムをもう一度見ている。
「東城さんって、今は淳平くんのことどう思ってるんだろう。」
つかさは、それだけをずっと気にしていた。
並んで歩いている唯と綾、そこで唯はつかさの前で聞けなかったことを綾に尋ねる。
「ねえ、東城さん、」
「何?」
「淳平のこと、今はどう思っているんですか?」
綾は少し考えてから答えた。
「大切な人。」
「え、じゃあ今でも・・・。」
「ううん、そういうんじゃないの、前にファミレスで二人で話している時も楽しかったけど、高校の時と同じような気持ちは感じなかった。」
「ただ、真中くんがくれたものはものすごく大きい、映研の思い出、たくさんの友達、そして恋。」
「それらはすべて、真中くんと出会ってから得られた宝物なの。」
「それでも、高校の頃のあたしは真中くんしか見てなかった。小説を書くのも真中くんのため、そんな感じで真中くんのおかげでかなり変わることはできたけど、まだ自分の足で立ってはいなかった。」
「真中くんとの恋は実らなかったけど、あの恋を思い出にして、自分の足で立って、前を向いて歩いていけた。」
「そうして、高校を卒業してからは周りを見る余裕ができて視野が広がって、また自分が変わっていくのを感じられた。」
「でも、それも高校の時の自分が土台にあったから、やっぱり真中くんのおかげだと思っている。」
「だから本当に真中くんには感謝している。だから大切な人。」

「じゃあ、唯ちゃん、またね。」
「うん、東城さん、さようなら。」
二人は、途中で別れてそれぞれの家路についた。
唯は、綾と別れた後携帯を出してメールを打ち始めた。

「以上、唯からの報告でした。」
読み終えたつかさは、唯にお礼のメールを送った。
つかさの家で、綾が中座している間に、つかさが思わず「東城さんって今は、淳平くんのことどうおもってるのかな」とつぶやいた時に、唯が「だったら後で聞いてみてあげる」と話していたのだ。
(大切な人か・・・、)
(確かに、恋愛感情はないのかもしれないけど、それでも東城さんの中の淳平くんの存在ってやっぱりずっと大きいんだ。)
(淳平くんの恋人はあたしで、東城さんは仕事上のパートナーで夢を語り合う相手・・・。)
(何も不安になることはないはずなのに・・ どうしてもモヤモヤはなくならない。)
つかさは、自分の中に湧き起こりかけているいやな感情をなくそうとしていた。


「うん・・うん・・、そうだね、ずっとよくなったと思うよ。」
綾は電話中だった。
「でも、これだと取り直さなきゃいけないシーンもあると思うけど、大丈夫?」
「うん、わかった。あっあたしの方もいくつか考えているのがあるから、メールで送るね。それじゃあね、真中くん。」
電話の相手は淳平、変更箇所の連絡だった。
(真中くんとあたしの夢はまだ遙か彼方、でも一緒に映画を作っているとその夢に近づいているのが実感できる。)
(今作っている映画も、撮影が進むにつれてどんどんよくなっている。)
(夢はまだ実現できるかすらもわからないけど、真中くんと一緒ならできそうな気がする。)
(さて、明日はあたしも撮影現場に行くから準備しなきゃ。)
綾は、明日の準備をしながら遠い夢に思いを馳せていた。

暗闇で一人佇んでるつかさ。
離れたところに淳平を見つける。
〔淳平くん!〕
はっと見ると、隣には綾がいた。
〔東城さん・・・〕
長い階段が見える。
二人はその階段を並んで歩いている。
そして、同じ場所を見上げていた。
だが、つかさは二人を追いかけられない。
彼女は、その長い階段に乗っていなかった。

「淳平くん!」
「あっ・・・今の夢?」
(なんだろう、どうしてあんな夢を・・・)

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